IT インフラの世界に新たな流れを呼び起こしている Cisco HyperFlex は、登場以来全世界で急速に実績を積み、活用事例を増やしてきました。ここでは実際に活用されている分野、そして国内でも増えている導入事例をご紹介しましょう。
グループ全社 IT システムの全体最適を目指しシスコ ハイパーコンバージド インフラを採用
「当社は 2002 年から数年かけて、メインフレームをオープン環境に移行しました。それまでの社内 IT システムは個別最適の設計でしたが、移行を機にIT システムのデザインを全体最適の観点から見直したのです。仮想化プラットフォームは 2005 年ごろから利用していますが、従来型の IA サーバとストレージの台数が徐々に増えて、モデルやスペックの混在による管理の複雑化や、サーバとストレージ間の接続など、アプリケーション レイヤに比べインフラ部分が旧態依然であることが不満でした。」
「他社のサーバ製品はある程度のカタマリでの導入が前提で、部分追加しにくいのですが、Cisco UCS と FI は必要なときに部分追加が可で、当社の発展するインフラにピッタリではないかと考えました。その後、ストレージまで一体化されたハイパーコンバージド インフラ製品として Cisco HyperFlex が発表され、コストとスピード、代替環境、冗長構成の組みやすさに期待して導入を決断しました。Cisco HyperFlex はメーカー特有の味付けがなく、シンプルで扱いやすい、高度に設計されたホワイト ボックスという印象です。インフラ部分を論理的に 1 つとして扱える運用性と、ネットワークの環境を活かしきるインフラとしてパフォーマンスに期待しました。シスコはネットワーク機器で当社でも長年の実績と信頼感がありましたし、必要に応じて外部ストレージも活用したいと考えていますので、FI の有用性が採用の決め手です。」 「導入して 1 年以上、トラブルらしいトラブルはまったくありません。パフォーマンスも期待通りです。機器同士の接続性や認証、サポートの有無など余計なことに煩わされることなく、本来やるべきところに時間がさけるというハイパーコンバージド インフラのメリットを実感しました。ビジネスのアジリティが高まる中で、安定して動く、予測可能なシステムがある安心感は大きいです。」(神原氏)
ERP をはじめとする社内業務の基盤をハイパーコンバージド インフラに刷新
ERP の他、すでに仮想化していた社内システムも新基盤へ移行して、より良い社内業務環境を整備
「ERP のシステムをまずは仮想化しようと ERP の担当者が検討を進めていたのです。一方、すでに仮想化していた ERP 以外の基盤も刷新のタイミングが近づいてきていました。そこで両方の基盤を 1 つにまとめてデータセンターを移設することにしました。最初はシスコの価格が高めに見えていましたが、各社の提案内容を精査するとハードウェアの機能は同等で、シスコのほうが安価という面もわかってきました。」 (鈴木氏)
「トラフィックやセキュリティなどの観点も含め、ERP の基盤を急いでパブリック クラウドへ移す必要はないと考えていました。 Cisco HyperFlex はネットワークまで含めた一式で構成されていますが、ネットワークの部分はあまり制限がなく、柔軟に構成することができます。また、他社製品で構築して、必要なケーブルを用意していたら、ものすごい本数になっていたでしょう。それが筐体 1台あたり 2 本のケーブルだけですみ、簡単につなげられることは、まさにシスコならではの優位性だと思います。 本当に冗長構成でサービス停止が起こらないか、どこまでやったら実際に障害が起こるのかを徹底的に突き詰めて、うたい文句に偽りのない耐障害性があることを確認できました。ハイパーコンバージド構成にしたことでストレージの故障という障害点がなくなり、保守の負担も削減されます。」 (上堂薗氏)
全社員を対象とした VDI 環境をハイパーコンバージド インフラで増強
VDI 環境をさらに増強して、年度内に全社員の端末を対応予定
(内容は 2017 年 5 月現在のものです)
「VDI 化する端末数が当初の規模から大幅に増えたので、これまでと同じやり方では構築時や運用時の問題を解決するのは難しいと思っていました。Web カタログの統合データベース増強でコンバージド インフラを採用してメリットを実感していましたので、VDI でも同じようにできないだろうかと考えていたのです。 各社の製品情報はこまめにチェックしていて、今回の検討時期にシスコが新製品を出すことを知りました。当社のシステム構築を支援いただいているベンダーにさっそく問い合わせをして、ご提案をいただいたことが Cisco HyperFlex 導入のきっかけです。 通常は機器が納入されてから本番運用が始まるまで、最低でも 1 ヵ月はかかります。しかし今回は社内の基盤チームの作業が 1 日、その後のエンジニアの作業が 2 週間ほどですみ、ほぼ半減しています。製品自体のセットアップに要する時間も、本当に 30 分程度だったのには驚きました。」 (箱田氏)
「運用開始から数ヵ月になりますが、大きなトラブルはまったくありません。非常に安定して稼働しています。サーバ、ストレージ、ネッワークの各機器を個別に確認する必要があった従来の構成と比べて、すべての状態を一括して管理コンソールで見られるのでとても楽ですね。運用の負担は確実に下がっています。」 (藤田氏)
日本初の情報セキュリティ学科でCisco HyperFlex を採用
(内容は 2017 年 3 月現在のものです)
「今の世代の学生はセキュリティに対する意識や関心を持つ人が増えています。本学科の設立はとても重要なものと考えています。ベンダー側はもちろんですが、ユーザ側としても教養の一環としてセキュリティを理解し、実践できる人は必要だと強く感じています。」(小松氏)
「セキュリティの演習という特殊な目的で運用するものを含んでいるため、ネットワークの構成は安全かつ堅牢ということを意識して設計しています。学生が演習で使うネットワークは、一人一人の学生が自由に使える仮想ネットワークとして提供します。サーバ周りは、授業用、研究用とも、すべて仮想化環境で構築し、休み時間に演習用の環境を切り替えるなどスピーディな対応が可能です。」 (加藤氏)
「長崎は雷がよく発生して落雷による停電が起こりやすく、ストレージの再起動からすべての仮想マシンが復旧するまでのプロセス全体で数時間ほどかかっていました。この時間をできるだけ短縮して可用性を高めるには、サーバとストレージが一体化しているハイパーコンバージドインフラが良いだろうと思っていました。比較していた他社製品と同様のテストを行った結果、Cisco HyperFlex は最も高いパフォーマンスを発揮したことは大きな採用理由です。 CPU、メモリ、ストレージ容量を柔軟に選択できるので、1 台あたりのパフォーマンスを高め、物理的に導入する機器の台数を減らすことでハードウェアのコストをかなり圧縮できました。仮想化環境のライセンス費用を抑えるうえでも役立ちました。およそ 20 分以内にはすべての仮想マシンが起動を終えるなど、速度は満足しています。」 (赤瀬氏)